網地は、大別して有結節網と無結節網に分類されます。有結節の代表格は蛙又網が挙げられますが目ずれし難いという利点がある一方、結節部分の強度・耐久性・重量など懸念点もあります。
無結節網には、主に当社のMUKETSU(貫通型)とラッセル網があります。ラッセル網はレースの様にループを編んでいくため、掛目が多くとれ柔らかいという利点がありますが、網なり・重量・貝や藻等の付着しやすさなど、懸念すべき点もあります。
MUKETSUは2本または3本の撚り糸を交差するときに互いを貫通させ、結び目を作らずに編網する網を指します。現在、日本の巻網については90%以上のシェアがあり、トロール・養殖においても、これまで主流であったラッセル網からMUKETSUに変わりつつあります。
すべてに“やさしい”MUKETSU
**MUKETSU**
(1)網の強度
糸は曲げたり、結んだりすることで強度が低下しますが、MUKETSUは結び目を作らず曲げずに網み上げることで強度を維持できます。これにより破損時の補修回数や使用期間の観点から、人・環境にやさしいといえます。
(2)網が軽くかさばらない
結び目を作らないので網全体の軽量化が可能になり、かさばらないので船の重心が保たれ安全性に優れています。また他網に比べ軽量なため、船上での作業効率が良く、燃料のコストダウンにつながり人・環境にもやさしい網といえます。
(3)網の品質向上
結び目をなくすことで目開き・網なりが良く、陸上での使用時の景観、また漁獲への信頼性が高まり人にやさしい網を体現します。
(4)結び目で魚が傷つきにくい
網に凹凸がないため魚に傷がつきにくく、潮通しが良いことから新鮮な酸素がケージ内に供給されやすく養殖網として最適といえます。